今年2月の第74回ベルリン国際映画祭で最新作『A Traveler's Needs』が銀熊賞(審査員大賞)を受賞し、同映画祭では通算5度目の銀熊賞受賞という快挙を果たした名匠ホン・サンス監督の日本公開最新作『탑(原題)』が邦題『WALK UP』(配給:ミモザフィルムズ)として、2024年6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、Strangerほか全国順次公開することが決定し、日本版ポスタービジュアルが完成した。
端正なモノクロームの映像で紡がれた本作は、都会の一角にたたずむ地上4階・地下1階建ての小さなアパートを舞台にした人間ドラマ。
映画監督のビョンスは、インテリア関係の仕事を志望する娘のジョンスと一緒に、インテリアデザイナーとして活躍する旧友ヘオクの所有するアパートを訪れる。そのアパートは1階がレストラン、2階が料理教室、3階が賃貸住宅、4階が芸術家向けのアトリエ、地下がヘオクの作業場になっている。3人は和やかに語り合い、ワインを酌み交わすが、仕事の連絡が入りビョンスはその場を離れる。ビョンスが戻ってくると、そこには娘のジョンスの姿はなく…。アパートの階をひとつずつ上がるごとに、いつしか物語は4つの章へと枝分かれし、ビョンスと彼を取り巻く女性たちの人間模様は予測不能な方向へとねじれていく。
映画監督ビョンスに扮するのは、ドラマ『冬のソナタ』(02)のキム次長役で知られ、『新感染半島 ファイナル・ステージ』(20) 、Netflixドラマ『寄生獣 ―ザ・グレイ―』(24-)などで活躍するクォン・ヘヒョ。ホン・サンス作品では『それから』(17)以来の単独主演を務めた。さらに韓国を代表する名優イ・ヘヨンや、ホン・サンス監督常連俳優のソン・ソンミ、チョ・ユニらが脇を固め、迷走中のビョンスの人生を揺らめかせる。果たしてこれは、“もしもの人生”を提示したパラレルワールドなのか、それとも…?ユーモア溢れるトリッキーな仕掛けから、芸術家たちの葛藤やささやかな喜び、そしてままならない人生の本質が浮かび上がっていく。第70回サン・セバスチャン国際映画祭や第47回トロント国際映画祭などの国内外の映画祭で高く評価され、「ホン・サンス監督の最高傑作」と絶賛を博した注目作。
日本版ポスタービジュアルは、アメリカの独立系配給会社Cinema Guildのポスターデザイナーであるブライアン・ホン(Brian Hung)が手掛けたアメリカ版『WALK UP』のポスタービジュアルを踏襲。ブライアン・ホンは『夜の浜辺でひとり』(17)から長編第30作目『In Our Day』(23)まで、近年のホン・サンス監督作品や、バス・ドゥヴォス監督『ゴースト・トロピック』(19)などのポスターデザインで知られ、シネフィル垂涎の定額配信サービス「MUBI」が選ぶ「ベスト・ムービー・ポスター」では、2021年に『逃げた女』のポスターがランクイン。さらに2022年には『Riotsville,U.S.A.』のポスターが、『EO イーオー』や『aftersun/アフターサン』といった話題作の海外版ポスターを抑え1位に輝くな、現在アメリカのアートハウスシーンで最も注目されるデザイナーとして活躍している。
併せて場面写真が解禁。主演のクォン・ヘヒョが、舞台となるアパートのベランダから街を見下ろす穏やかな雰囲気のカットが解禁となった。
2024年6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、Strangerほか全国順次公開